会ってない子どもには迷惑をかけたくない
こんにちは。弁護士の武内優宏です。
今回は、離婚後全く会っていない子どもに相続手続で迷惑をかけるということについてお話しします。
迷惑をかける筆頭は、亡くなった後の身元確認や引取りだと思います。
身寄りの無い方が病院の外で亡くなると、警察が遺体を引取ります。
警察は親族を探して、本人確認や遺体の引取をするように依頼をします。離婚をしてから会っていなくても、子どもであれば、警察からそのような連絡が来る可能性も十分あります。
何十年間、父親のことなんて意識もしていなかったのに、いきなり警察から「父親が死んだ」という連絡が来たら・・・。心中察するに余りあります。
また、他の相続人がいる場合には遺産分割協議に巻き込むことになります。
残念ながら遺産が借金の方が多ければ、会っていない子であっても相続放棄手続をしなければ、債務を引き継いでしまいます。
会っていない子に財産をあげたくないというマイナスの感情ではなく、会っていない子には迷惑を掛けたくないという思いやりから、「終活」を始める方も多くいるのです。
法律事務所アルシエンでは、おひとり様の終活について多くの事案を扱っています。
離婚後会っていない子がいるという方は、お気軽にご相談ください。
親権がなくても子は子です
こんにちは。弁護士の武内優宏です。
せっかく離婚に関する本の監修をしたので、離婚と相続についていくつかお話しをしていきます。
まずは、離婚して親権者でなくなっても子には相続権があるということ。
当たり前といえば当たり前なのですが、離婚した前の奥さんとの間の子であっても相続人になります。
若い頃に結婚し、一子もうけたがすぐに離婚。離婚後40年以上会っていない。
そのような場合でも、子であることには変わりないので相続は発生します。
「戸籍に入っていないから相続権はないかと思っていた」なんて言われる方もおりますが、戸籍と相続権は関係がないのです。
会っていない子には財産を相続をさせたくないという方もいますが、逆に会っていない子を相続手続の面倒くささに巻き込みたくないという方もいます。
血が繋がっているだけで、会ってもいない子どもを面倒な相続手続に巻き込むことになります。
私の依頼者の方でも、そのようなことを心配している方が多くいます。
離婚に関する本の法律監修をしました
こんにちは。弁護士の武内優宏です。
高橋愛子さんが書かれた
『離婚とお金 どうなる?住宅ローン』(プレジデント社)の法律監修をさせていただきました。
離婚を機に住宅ローン問題で苦しんでしまう方も多いです。
新築マンション、新築戸建ては、買ったとたんにオーバーローンになりますからね。
財産分与しようにも借金の方が多くては、分与もしづらいのです。
離婚しても元夫婦で共有状態のままローンを返済しつづけ、10年経ってようやくオーバーローン状態が解消されて売却という方もいます。
離婚後10年経っても、不動産売却のために連絡を取り合わないと行けないというのも、なかなか気苦労ですよね。
前の奥さんと組んだペアローンが残っていて、再婚して新たに家を購入しようと思ったら住宅ローンが組めず、新しい奥さんとの仲が険悪に・・・なんて方もいます。
余り知られていないのですが、離婚したときの住宅ローンの扱いって本当に難しいのです。
せっかく離婚に関する本の監修をしたので、次回からは離婚と相続についてお話しをします。
終活弁護士になったきっかけ②
こんにちは。弁護士の武内優宏です。
今回も前回に続き、終活に関わるようになったきっかけについてお話しします。
葬儀の事前相談会を見学し、「高齢者の生前遺志の確保」ということに興味をもった私は、千本ノックとばかりに、お一人暮らしの高齢者のお宅を訪問して悩み事を聞くということを始めました。※実際には1000件も行っていません。
どのような前向きな話を聞けるかと思っていた私はその認識の甘さを知りました。
「自分らしく」などと考える余裕のある人は一握りで、一人暮らしの高齢者の多くは漠然とした不安の中で生活していることを知りました。
まず、皆が真っ先に聞いてくるのは、「私が死んだら誰が発見してくれるの」という質問です。一人で死ぬことは覚悟しているけど、腐ってから発見されるのだけは避けたい。
これは当時20代であった私にとって大変重い質問でした。
そして、次は遺品整理の問題。私が死んだら誰が荷物を片付けてくれるの?賃貸暮らしの方ですと、死んだら大家さんに部屋を返す必要があるのですが、返すために部屋を片付けてくれる人もいないわけです。
これは、弁護士1人が動いてどうにかなる問題ではないな。
そう思った私は、葬儀社さんや遺品整理屋さん、お坊さんなどの協力を得るようになりました。
そうして多くの方とご縁をいただいているうちに「終活」という言葉もでき、今では「終活」のトップランナーの方たちと一緒にお仕事をさせていただけるようになりました。
「弁護士なのだから遺言や相続と言った法律知識だけ知っていればよい。」とは思っていません。
人が1人亡くなるに際して起こることの多くを知っている方が、きっと私に相談してくださる方のお役に立てると思い、現在も終活に関する知識の習得に努めています。
ということで、私が「終活弁護士」を志すようになったきっかけのお話でした。
終活弁護士になったきっかけ①
こんにちは。弁護士の武内優宏です。
せっかく前回フューネラルビジネスフェアについてお話ししたので、今回は私が終活に関する案件を多く扱うようになったきっかけについてお話しします。
きっかけは、ある葬儀社さんとの懇親会でした。2007年のことなので、もう9年前になります。
葬儀社さんから「最近、葬儀の生前予約が流行っている」というお話しを聞いたのです。
葬儀の生前予約?
当時、終活などという言葉もない時期でしたので、自分の葬儀を生前に予約しておくということに強烈な違和感を覚えました。
とそれと同時に興味も抱き、わがままを言って、葬儀の事前相談会に潜入させていただくことになりました。
そこで見た光景が驚愕で、参加される方(多くはご年配の女性)が、自分の骨壺を選んだり、葬儀で流す曲やかざる花を選んでいるのです。
当時、私は結婚式の準備をしていたのですが、それと全く同じなのです。
お話しを聞くと、参加している方たちは、夫の両親、夫と3人を見送り、葬儀がどれだけ大変か身に染みて分かっているので、子ども達には迷惑を掛けたくないから自分で準備をしているとのこと。
そして、せっかく自分で準備するなら、自分らしい葬儀にしたい。
なるほど、これから葬儀の事前予約は主流になるなと思い、その生前意思の確保に何か法律家として協力できないかと思ったのが、この業界に関わるきっかけでした。
フューネラルビジネスフェアに行ってきました
こんにちは。弁護士の武内優宏です。
今年も、総合ユニコムさん主催のフューネラルビジネスフェア@パシフィコ横浜に行って来ました。
「フューネラルビジネスフェア」は、葬儀業界向けの総合展示会です。
終活のトレンドを掴むには葬祭業界をみるのが1番です。
今年も多くの企業が参加されており、私もたくさん刺激を受けて来ました。
業界の方と一度にお会いできるのも楽しみの一つです。
このフューネラルビジネスフェアは、私にとっても思い入れの強い展示会なのです。
何と言っても、月刊フューネラルビジネス誌の吉岡編集長とは地元が同じで幼稚園の先輩です(笑)
と冗談はさておき、2008年には当時所属していた法律事務所で、おそらく法律事務所として初めてフューネラルビジネスフェアに出展をしました。
その出展責任者になったことがきっかけで、終活(当時は「終活」などという言葉はなかったですが)にのめり込むきっかけになったので、本当に思い入れが強いのです。
海洋散骨をするときに気を付けること
こんにちは。弁護士の武内優宏です。
前回、散骨に立ち会うというお話しをしたので、今回は散骨について。
散骨については以前も書きましたが、散骨自体は適法な行為です。
→散骨の適法性
ただ、節度を守って行うことが重要です。
まず気を付けなければいけないのは、遺骨を粉骨するということです。
映画などでは遺骨をそのまま散骨するシーンが描かれることもあります。
高倉健さん主演の『あなたへ』は散骨をテーマにした映画ですが、散骨のシーンでは、遺骨をそのまま海に撒いていました。
万が一、遺骨が海岸に流れ着いたらどうなるでしょう。
おそらく、遺体遺棄事件の可能性があるので、警察沙汰になってしまいます。
これでは節度をもった散骨とは言えません。
なので、散骨をする際には、人骨とは分からない程度まで粉骨をする必要があるのです。
その他、日本海洋散骨協会では海洋散骨をするに際してのガイドラインを設けていますので、散骨をお考えの方は、是非一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。
一般社団法人日本海洋散骨協会
http://kaiyousou.org/guideline.html
散骨までする弁護士は珍しい?
こんにちは。弁護士の武内優宏です。
前回、相続相談ガイドというサイトに掲載されたと書きましたが、インタビュアーの方が1番驚いていたのが、私が遺族に代わって散骨まで行っているということでした。
身寄りがいらっしゃらない方に依頼され、私が喪主となり散骨を主催し、その友人の方に散骨クルーズに参加してもらい、散骨後はその友人の方と故人を偲んでお酒を交わしたということもあります。
身寄りはないけど友人を呼んで葬儀はしたい。
でも、喪主や施主としての責任を友人に負わせるのは忍びない。
考えてみれば当然のことですよね。
ではそれを誰に依頼すればよいのでしょうか。
葬儀社に依頼すればやってくれますが、自分が亡くなった後のことなのできちんと希望とおりにやってくれたか確認する術がありません。
そういった場合、独立した立場で葬儀の実行を監視する存在として、弁護士はうってつけなのではないでしょうか。
周りの弁護士に聞いても、散骨に立ち会ったことがあるという弁護士は一人もいませんでしたが(笑)
もし、そのようなご希望があれば、お気軽に法律事務所アルシエンにご相談ください。
相続相談ガイドに掲載されました
こんにちは。弁護士の武内優宏です。
相続相談ガイドというサイトの事務所紹介のコーナーに『そこまでやるか?身寄りのない方の散骨までしてしまう法律事務所アルシエン武内優宏弁護士にインタビュー』という記事が掲載されました。
そこまでやるか?身寄りのない方の散骨までしてしまう法律事務所アルシエン武内優宏弁護士にインタビュー
自分で言うのも何ですが、私のこれまでの案件についてとてもよくまとめてくれています。
こうして振り返ってみると、様々な案件に関わらせていただいたなと思います。
記事中にもありますが、自死遺族から依頼されて、自死現場となったマンションの原状回復と大家さんへの返還を代理したこともあります。
私も当然現場にいって、原状回復作業に立会い、相続手続に必要な書類などの捜索もしました。
他にも孤独死された方の相続手続でも現場に行ったこともあります。現場の何ともいえない臭いは、忘れることはできません。
人が一人亡くなると、付随して多くのことが発生します。そして、多くの悲しみ、切なさを伴います。
同じ案件は一つとしてないので、縁あって案件にかかわらせていただいたことに感謝です。
日本ライフ協会の破産
民事再生を申立てていた日本ライフ協会が結局破産となってしまいました。
このような制度は、本来であれば信託会社を使って倒産隔離をしておくべきお金だと思います。
一民間団体が「預かります」「保全します」と言っているだけだと、倒産したときに預託者は全く保護されません。
いつか消費者問題になるのではないかと心配していましたが、心配が実現してしまいました。
他にも似たような団体はありますが、本当に高齢者から預かったお金が保全されているのか心配になります。
最近では、葬儀社と信託会社が連携をして、葬儀費用の事前預かりを信託口で管理してもらえるというサービスも出てきています。
これであれば、万が一、葬儀社が倒産しても、預託金は戻ってくるので安心です。