終活弁護士になったきっかけ②
- 2016.07.18|終活
こんにちは。弁護士の武内優宏です。
今回も前回に続き、終活に関わるようになったきっかけについてお話しします。
葬儀の事前相談会を見学し、「高齢者の生前遺志の確保」ということに興味をもった私は、千本ノックとばかりに、お一人暮らしの高齢者のお宅を訪問して悩み事を聞くということを始めました。※実際には1000件も行っていません。
どのような前向きな話を聞けるかと思っていた私はその認識の甘さを知りました。
「自分らしく」などと考える余裕のある人は一握りで、一人暮らしの高齢者の多くは漠然とした不安の中で生活していることを知りました。
まず、皆が真っ先に聞いてくるのは、「私が死んだら誰が発見してくれるの」という質問です。一人で死ぬことは覚悟しているけど、腐ってから発見されるのだけは避けたい。
これは当時20代であった私にとって大変重い質問でした。
そして、次は遺品整理の問題。私が死んだら誰が荷物を片付けてくれるの?賃貸暮らしの方ですと、死んだら大家さんに部屋を返す必要があるのですが、返すために部屋を片付けてくれる人もいないわけです。
これは、弁護士1人が動いてどうにかなる問題ではないな。
そう思った私は、葬儀社さんや遺品整理屋さん、お坊さんなどの協力を得るようになりました。
そうして多くの方とご縁をいただいているうちに「終活」という言葉もでき、今では「終活」のトップランナーの方たちと一緒にお仕事をさせていただけるようになりました。
「弁護士なのだから遺言や相続と言った法律知識だけ知っていればよい。」とは思っていません。
人が1人亡くなるに際して起こることの多くを知っている方が、きっと私に相談してくださる方のお役に立てると思い、現在も終活に関する知識の習得に努めています。
ということで、私が「終活弁護士」を志すようになったきっかけのお話でした。