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アパート建築資金のための借入れがある相続②

こんにちは。弁護士の武内優宏です。

今回は、次回に引続き、アパートを建てた方の相続についてです。

なぜ、遺産分割でアパートを相続しなかった次男、三男も借金を払う必要があるのでしょうか。 
理由は、次男も三男も借金を相続しているからです。長男が借金を支払わない場合、次男と三男は、銀行に対して借金を支払う必要が生じるのです。
このケースは、専門家でも勘違いしていることがあるので、一般の方が勘違いするのは当然かもしれません。

借金は、遺産分割に関係なく、法定相続分に従って相続をします。
例えば、父親に6000万円の借金があり、子供3人が相続人であれば、1人当たり2000万円の借金を相続したことになります。
たとえ遺産分割協議で、「長男が債務を支払う」と決めて、合意書を作成したところで、債権者である銀行に対抗することはできません。自分は500万円しか受け取っていないから、500万円の範囲でしか支払いたくないと言っても、認められる話ではありません。
このようなことが認められると、銀行の立場からすれば、「支払能力がない人に借金を押し付ける」という遺産分割をされてしまい、大損害です。
このように、遺産分割協議で、債務について、すべての相続人で誰が支払うか取り決めをしたとしても、それは相続人内部の問題であって、債権者には全く主張できないのです。

借金を相続したくない場合の対応については、次回お話しをいたします。

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