一番親しい人に損をさせるのが相続!?
- 2016.04.04|相続
あなたが亡くなったあと、葬儀の喪主になってくれるのはどなたでしょうか。その葬儀費用は誰が負担するのでしょうか。
ご存知のとおり、金融機関は預金者が亡くなったことを知ると、口座を凍結してしまいます。手元に現金がなければ、喪主になった方が立替払いをしてくれると思います。
では、喪主が支払った葬儀費用は、戻ってくるのでしょうか?
遺産分割の際に葬儀費用分は優先してもらえるとお思いの方も多いでしょう。
しかし、実際は異なります。葬儀費用は、亡くなった後に支出した費用ですので、遺産には含まれません。他の相続人が葬儀費用の分担を拒んだ場合、喪主を引受けてくれた方だけが、葬儀費用を負担したことになり、その人に損をさせてしまうのです。
同じようなことは、相続手続や遺品整理にもいえます。相続手続や遺品整理も、一番親しい遺族がやってくれると思います。相続手続や遺品整理のためには、労力もかかりますし、会社を休む必要もあるかもしれません。
それでは、その費用や労力は、遺産分割の際に考慮されるのでしょうか。
こちらも、残念ながら答えはNOです。他の相続人と合意できなければ、それをしてくれた相続人もしなかった相続人も法定相続分に従って相続することになります。
そうなると、一番親しく亡くなった後のことも色々としてくれた相続人だけが、葬儀の費用や手続の手間などを負担している分、他の相続人より実質的な取り分が少なくなってしまうことになってしまいます。
そのような事態を防ぐためには、お世話になる親族の相続分が多くなるような遺言を作成するなど「終活」をきちんとしておくと良いでしょう。