相続人の一人が遺産を管理していて遺産目録を開示してくれない③
- 2016.02.15|相続
前回、前々回と遺産の探し方についてお話をしてきました。
ただ、実際にすべての遺産を把握するということは極めて困難です。
金融機関に聞くと言ったって、金融機関の数はたくさんあります。それに証券会社に保有している口座にまで照会をかけるとなると、それこそ何社あるのか数えるのも大変なくらいです。
どこまで調査をするかは、手間と費用と本人の納得感との兼ね合いになります。
亡くなった方に相続税の申告が必要なほどの財産があれば、税務署が調査に来てくれて、それによって隠していた遺産を知ることはできるかもしれません。
相続税の申告がいらない程度の遺産額の場合が一番揉めやすいゾーンですし、そのような場合が一番相続財産を調べるのが困難なのです。
この遺産を探すという作業は、自分でやらなくても委任状を渡せば他の人に依頼することもできます。自分で探すよりもノウハウを持っている専門家に相談をした方が、楽だし財産が見つかる可能性も高まるかと思います。
世間的には、遺産を探すというサービスは、弁護士の他にも、司法書士、行政書士、税理士といったサムライ業の方や相続手続代行会社なる業者もサービスを提供しているようです。
弁護士である私としては、常日頃、弁護士以外の方に相続財産の調査を依頼するのはもったいないなと思っています。
弁護士以外の方たちは財産調査費用をもらって相続財産の調査はしてくれますが、もし、その後の遺産分割協議で揉めたとして、交渉や協議には参加してくれません。弁護士以外は遺産分割協議交渉はできないと法律で決まっているのです。
もとより遺産を隠して教えてくれないような相続人です。
そのような相手との遺産分割協議が穏やかにまとまるはずがありません。
結局、行政書士などに相続財産調査を依頼しても、遺産分割協議がまとまらなければ弁護士に依頼することになります。そうなれば、当然、二重に費用がかかることになります。
最初から弁護士に依頼をすれば、相続財産調査も込みで遺産分割協議の代理まで請けることになります。
そうであれば、最初から弁護士に相続財産調査を依頼した方が結局は安上がりなのにもったいなと思ってしまうのです。
法律事務所アルシエンでは遺産分割紛争を多く取り扱っています。
相続人の一人が遺産を管理していて遺産目録を開示してくれない場合、是非、私たちにご相談してみてください。