葬儀費用の先取特権
- 2015.12.24|葬儀
葬儀費用の先取特権を用いて、葬儀費用を回収することができました。
6年前くらいにもチャレンジをし、その時も東京地裁、横浜地裁で例がないと言われました。その時は他の手段で回収できてしまったため、決定をもらうことはできませんでした。
そして、今回の申立て時も、東京地裁、横浜地裁で先例を知らないと言われました。
色々と裁判所と協議しましたが、条文で認められる手続が実際に行えないはずがないということで、粘り強く協議を続け、無事に先取特権に基づく差押発令となりました。
先取特権自体マニアックな手続ではあるものの、雇用や共益費用、賃貸借などで使われている実例はあります。
葬儀費用の先取特権が他と異なるのは、条文制定時におそらく具体的な手続を想定していないという点です。
葬儀費用の先取特権については、コンメンタール等で「債務者」は「死者」であるとされています。そうすると先取特権の対象となる債務者の資産は遺産ということになります。
問題になるのは、
・そもそも原則として死者を名宛人として裁判手続ができない
・遺産は相続人のものになってしまうので、死者の財産は観念できるのか
ということです。
この辺りを裁判所と協議し、どうにか差押決定を出してもらうことができました。
他の案件に転用できるか分からないですが、先例を作れたということには意義があるのではないかと思います。
せっかく珍しい手続をしたので、どこかで事例報告でもしたいけど、そういう場合は判例タイムズにでも持ちかけてみればよいのですかね?
詳しい人がいたら、教えてください。